気象データの利活用事例集(WEB版)

氷海航行管理システム

企業・団体名

取り組み概要

ロシア極東やサハリンは豊富な天然資源に恵まれ、産出するLNGは海上輸送で日本に輸出される。一方で、冬期にこれらの地域に入出港する船舶は、海氷の状況によっては船体の損傷を受けるばかりでなく、航行不能となる可能性もある。そこで、日本郵船がウェザーニューズと共同で、ウェザーニューズのIce Routingをもとに、これらの海域を航行する船舶に多大な影響を与える海氷の状況を監視・把握し、船舶の安全運航を実現していくための「氷海航行管理システム」を開発・導入した。
このシステムの出力結果は、日本郵船グループが既に導入している運航管理情報統一システム「NYK e-missions’」上でモニタリングすることができる。最新の気象・海象情報と衛星観測データを基にしたウェザーニューズ独自の海氷予測モデルを利用し、氷の分布、密接度、厚さなどを解析し、2週間先まで予測する。海氷情報は1日1回更新される。船舶から送られる海氷の状況もリアルタイムに海氷予測モデルに反映され、陸上の運航管理者だけではなく航行している日本郵船グループの他の船舶とも情報共有できる。
本事例は、船舶から送られるリアルタイムの実況リポートを海氷予測に取り入れた世界初のシステムでもある。

【氷海航行管理システムの特徴】
① 衛星観測データをもとにした独自海氷予測モデル
② 船舶からの実況レポートを海氷予測に反映

対象者

自社(日本郵船)

利用している気象データ

気象、海象情報

この取り組みの効果

ロシア極東やサハリンにおける船舶の安全運航の実現。

参考となるHP公開情報等

日本郵船株式会社・株式会社ウェザーニューズ プレスリリース(2010/2/22)
https://www.nyk.com/news/2010/NE_100222.html