気象データの利活用事例集(WEB版)

人工知能 “KMOMY”(くもみ)による雲観測自動化ソリューション

企業・団体名

取り組み概要

人工知能“KMOMY(くもみ)”は、雲の写真をWMO(世界気象機関)で定義された雲の観測分類(10種類、27状態、10雲量)に判別する。AI開発の要となるアルゴリズムと学習データセットそれぞれを、神戸大学大学院システム情報学研究科及び同大学院海事科学研究科の監修・協力のもと研究開発を進めている(2018年AI学会で発表)。
KMOMYの機能を使ったスマホアプリ「くもろぐ」を公開し、広く一般の方にご利用いただけるようにしている。

対象者

気象観測業務、船舶・航空管制業務、太陽光発電出力予測、スマート農業、建築現場、理科・気象学習

気象データを利用した背景・経緯

法令による船舶気象観測の報告項目のうち、雲の観測には雲の状態など既存の気象測器での測定が困難な項目があり、目視による観測が必要であるが、乗組員にとっては難度が高いとの意見がある。その自動化のために船上に設置するカメラで撮影した雲の画像を識別するためのAI(KMOMY)を開発した。
(国土交通省の「先進船舶・造船技術研究開発費補助事業 (先進船舶技術研究開発)」の支援対象事業。㈱商船三井、古野電気㈱、当社を主体とする産学官連携の共同研究の一環)

利用している気象データ

独自に収集している陸上・海上の雲画像と、それらを用いたAIによる識別結果

気象情報以外で利用しているデータ

撮影された画像内の位置・時刻情報など

この取り組みの効果

「くもろぐ」を公開し多くの方にご利用いただくことで、AI精度(=雲観測自動化精度)が向上している。  

その他(気象データの利用にあたり工夫した点、困った点など)

今後、投稿された雲画像の場所と日時における気象データを紐づけて表示して、利用者の気象への興味や知識の向上に役立ちたい。