気象データの利活用事例集(WEB版)

Health Weather®

企業・団体名

取り組み概要

「気象ビッグデータ」と「医療ビッグデータ」を使用した疾患の発症・重症化リスク情報と関連情報を提供します。

対象者

疾患の発症や重症化予防および健康維持に関心が高い人とその人たちへサービスを提供する企業や団体

気象データを利用した背景・経緯

近年、地球温暖化による気候変動、熱中症やPM2.5等、環境と健康への関心が高まる中、気象と疾患の関係を解析し指標化することで、健康への意識向上や行動変容を促し、健康社会の実現に寄与することができるのではないかと考えたため。

利用している気象データ

気象(気温、湿度、気圧、風速等)の実測値と予報
大気汚染物質データ、花粉データ等

気象情報以外で利用しているデータ

レセプトによる疾患データ

この取り組みの効果

気温や気圧など、気象や天気の変化によって引き起こされる病気(「気象病」と呼ばれる)の一つとして、ぜん息について、ぜん息患者の受診状況と気象データを掛け合わせ、気象変動によるリスク度を5段階で分類するとともに、天気予報を活用し、10日後までのリスク度を表出する予測モデルを開発しました。
この予測モデルを「ぜんそくリスク予報™」とし、スマートフォンで簡単に確認することができるアプリ(スマートフォン向けアプリケーション)「ぜんそくリスク予報」を9月にリリースしました。小児ぜん息患者およびそのご家族向けに、気象変化に伴うぜんそくリスク度をお知らせすることで注意喚起を促すことを目的としています。

その他(気象データの利用にあたり工夫した点、困った点など)

  • 気象は実測値も予測値もあるので、仮説を立てて実測値を用いて検証し、予測値にあてはめてサービス展開を検討するという点が活用しやすいと感じました。
  • ある年の気象実測値を説明変数として、レセプトデータの患者数を目的変数としてモデル化を行い、翌年以降のデータを使い、患者数推移の検証を行いました。説明変数を予測値に変えることで、疾患の発生予測ができることが魅力です。また、予測結果を利用者にわかりやすく伝わるよう工夫しました。
  • 解析手法を決めるのに苦労しました。疫学統計や環境疫学の先生からアドバイスをいただきました。
  • 今後の展開としましては、現時点では疾患領域は小児のぜん息のみですが、今後他の疾患領域にも広げていく、より個人に即したリスク予報にしていくなどが考えられます。

参考となるHP公開情報等

Health Wehaterサイト:https://healthweather.jp/
「ぜんそくリスク予報」サイト:https://healthweather.jp/
ソナエテンのTwitter:https://twitter.com/sonaeten_HW